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2013年10月

「ROLa」11月号発売。90年代少女マンガトークイベント。りぼん編集部でトミーさんに会う。

10/2、少女マンガのトークイベントに出演してきました。
ROLa NIGHT《第二夜》朝井麻由美×ステレオテニス×木村綾子
1990年代女子カルチャー大全「90年代胸キュン少女マンガ 」

10/1発売の「ROLa」(11月号・2号)「90年代」って女子カルチャー(少女マンガ特集)との連動イベントということで、
特集にもご登場いただいた木村綾子さんと、
ファンシーなカルチャーに詳しいステレオテニスさん(=マイクロひとみさん)と開始1時間前から打ち合わせ。
が、各々のお気に入り作品や青春の一冊を語らううちに、
思い出話がヒートアップ。イベントで発揮しなければならないトークのガソリンのようなものが、みるみる減る
打ち合わせの時点で満足してはいけない、と3人揃って慌てて会話をやめるよう努力することに。
結果、ポテトやソーセージなどをつつきながら、互いのよもやま話をするに終始。
……打ち合わせとは、一体。

そしてイベントが開演。
まずはお客さんに、「りぼん」「なかよし」「ちゃお」を
90年代前半、後半のどちらで読んでいたかを聞いてみた。
すると、6:4くらいの割合でやや後半派が優勢。
おそらく、前半組=30代、後半組=24~29歳、くらい。
3誌で何派だったかの派閥トークや、なぜ買い始めたか、
何歳まで買っていたか、などをお客さんも交えて思い出話。

90年代前半トークは木村さん&ひとみさん中心に、
谷川史子作品や、岡田あーみんが少女たちに残した爪痕についてトーク。
谷川先生のマンガがいかに細やかな表情の描写で感動を誘うかについて語ったのち、
岡田あーみん話へ。
開口一番ひとみさんの「いや、もうあれ少女マンガっていうかなんていうか」
の一言に、会場の90年代前半組が笑いながら首をぶんぶん上下に振る。
岡田あーみん伝説に関しては、90年代後半組も伝え聞いているのだけど、
あーみん先生を好きと語る面々には、決まってある種の“一体感”を感じるのだ。
何なんだろう、この、あーみんクラスタの“共犯者”感は。
そして、相手があーみんクラスタだった日には、名前を出すだけでぐっと距離を縮められる。
“あーみんコミュニケーション”である。

イベント後、思わずツイート。


歳の差にしてだいたい3~7つくらいの90年代前半組、後半組。
この時代(小中学生時代)の年齢差はたった3つ違うだけでもかなり大きな差(※)で、
それゆえの面白い違いが見られた。
「ご近所物語」のベッドシーン事件である。
「ご近所物語」(矢沢あい)には、
なんと「りぼん」の誌面でかなりハッキリと描かれたベッドシーンがあったのだ。
チャチャがにゃんこハウスで魔法とか練習しているのと同じ誌面上で。
この頃、木村さんやひとみさんはすでに高校生。
一挙手一投足が描かれていたわけではなく、なんかこう、その、前後が描かれていただけだが、
当然何が起こっていたかは分かる。
「ピロートークってこうやるんだ!と学びましたよ!」
「少女マンガという夢の世界が壊れた!」
「モザイクかかっているとはいえコン○○ムが『りぼん』に載るなんて!」
と騒ぐ90年代前半組。
が、私含め90年代後半組は当時まだ小学生か中1くらい。
「なんかヤバいことが起こっている気がする」と本能的に察知はしたものの、
なんかよく分かんなかったなー。マンガ面白いなー。あははー。
くらいで頭の中で適当に処理されていた。モザイクが何だったのかよく分からなかったくらいだ。
(もちろん、今「ご近所の“あのシーン”」と言われて真っ先に想起されるわけだから、
やっぱり心の奥底では引っかかっていたということにはなる。本能ってすごい)

ちなみに、「ROLa」に掲載したこの件に関する矢沢先生のコメントは、
先生のポリシーが伝わってきて個人的にもお気に入りです。


90年代前半組、後半組の両者に共通していた文化もあった。
サン宝石である。
これは「ROLa」にも「少女マンガあるある」として以下のように書いたのだけど、
サン宝石:漫画雑誌を愛読していた少女たちの多くが一度は通る道。非常に魅力的に撮影された商品の数々。かわいく、そして安い雑貨の広告を眺め、一度購入に踏み切ってしまったら最後、注文用紙を書く手が止まらない。届いたアイテムを見て、少女たちは写真と現実とのギャップを学んだ。

Twitterで「ROLa」の感想を見ていると、
「日ペンの美子ちゃん」のほうが記憶に残っている、という声も。
そう言われてみれば、「りぼん」の裏表紙に載っていた美子ちゃんのマンガ(進研ゼミっぽいやつ)、
いつも熟読していたな。「りぼん」読み終わると、もうそこしか読むところがないんですよね……。

ほかにも、トークイベントではこんなものが話題にのぼった。
・「ケロケロちゃいむ」「ナースエンジェルりりかSOS」など、アニメ化したものでも今コミックスが絶版になっているものが意外と多い(「絶版」と記載すれば掲載可な版元もあれば、版元の許可が出ずROLa掲載を見送ったものも)。
・「カードキャプターさくら」がいかにボーダレスなマンガだったかについて(同性愛や小4と教師の年の差愛など)。
・小花美穂先生は昔、劇団ひまわりの入団オーディションを受けている(コミックスの柱コメントにそれらしきことが書かれている)。
・「セーラームーン」、「セイントテール」など戦う美少女モノに強い「なかよし」。「りぼん」でほぼ唯一同系統だったのは「りりかSOS」。以降、「ジャンヌ」まで似たタイプは出てこなかった。
・「こどちゃ」でヒモという概念を学んだ。
・矢沢あい先生のマンガは彼女の音楽やファッションの嗜好が強く反映されている(工藤静香好きだったころは「マリンブルーの風に抱かれて」に、ドリカムは「天使なんかじゃない」。ヴィヴィアンが多く出てくる「ご近所物語」「パラダイスキス」など)。
・「パラキス」はジッパーで連載していたからこそあの結末かも。「りぼん」だともしかしてラストが違っていたのではないか説。
・茶畑るり先生は「さんま御殿」に出るなどちょろっとタレント活動をしていた。
・上田美和先生の絵はディズニーっぽい。
・「りぼん」「なかよし」「ちゃお」を卒業した後、どこへ行くのか論(「別マ」?「別フレ」?「少コミ」?)。
・「こどものおもちゃ」に「パッションガールズ」のキャラが出てくるなど、たまに見る漫画家同士の交流が楽しい。
・「姫ちゃんのリボン」に消費税が3%のシーンがある。

そして、だんだん出演陣の中二病赤っ恥トークに……
・「君と僕の街で」の待ち合わせシーンの真似をしていた。by木村さん
・「りぼん」にマンガを投稿したことがある。Gペンや丸ペン、トーンなどが高くて揃えるのが大変。投稿したマンガは、“ツボでオバケを吸う話”。byひとみさん
・小学生の頃、「こどちゃ」が好きすぎて児童劇団に入った。by朝井

Event
*****

トークイベントも無事終わったある日、メールが届きました。
差出人は、りぼん編集長のTさん。
「ROLa」に「りぼん」のマンガが載っていたことへの感謝のメールでした。
中には当時担当していたマンガもいくつかあった、と。
編集長からじきじきにメールをいただくこと自体、
ものすごく嬉しかったのですが、それ以上に! このTさんはもしかして……!
90年代当時、「こどちゃ」や「ご近所」の担当編集の「トミーさん」という方が、
しばしばコミックスの柱スペースなどに登場していたのです。
このTさん、ものすごく「トミーさん」っぽい名前だ……。
だし、当時の担当作品が「ROLa」に載っている、と仰っているし、
とおそるおそる聞いてみたら、やっぱりあの「トミーさん」でした。
分かる人いるのかなー、と思いつつ、試しにFacebookに「トミーさんからメールがきた……!」
と興奮混じりに打ち込んでみたら、同世代から続々と反応が。
やっぱりみんな気になっていたんだね、あちこちによく出てきた「トミーさん」のことが。

そして、りぼん編集部へお招きいただいちゃいましたよ……!
Ri1
トミーさん改め「りぼん」編集長のTさんと。
漫画家さんたちが描いていたトミーさんのイラストはメガネをかけていましたが、
今のお姿はメガネではありませんでした。

りぼんマスコットコミックスが詰まった引き出し。
Ri2

昔のりぼんの表紙パネルが!!! かつて、イベントで使ったものだそうです。
Ri4

インタビューかのごとく当時の話を根掘り葉掘り聞きまくった中で印象的だったのは以下。

・藤井みほな先生は「GALS」を描くために渋谷でビデオカメラを回しっぱなしにして取材していた。
・藤井先生は描いている作品と同じ傾向のファッションに変わるなど、マンガとシンクロ(同化)して感情移入して制作するお方。
・小花美穂先生は、わりと先のストーリーまで決めて描く。トミーさん曰く、「『こどちゃ』の直澄くんの『Deep Clear』での結末も、連載中に聞いていたような気がします」。
・矢沢あい先生は対照的で、あまり先を決めずに進めるタイプ(トミーさんが担当していた90年代当時)。また、筆を動かすうちにキャラが勝手に動いて、打ち合わせとは違う展開になっていくことも。
・小花先生と矢沢先生はキャラクターの描き方も対照的で、小花先生は「悪人」を描ける人。トミーさんによると、矢沢先生は「自分が魂を削って描いているペンで悪い人を描きたくない」と聞いたことがあります、とのこと。

などなど、貴重なお話を伺いました。

*****
最後に、2013年10月1日発売号(11月号・2号)で書いたものの詳細を紹介して終わります。

「90年代」って女子カルチャーの、
少女マンガ特集、early'90論 ウゴウゴルーガとは何だったのか、コラム連載(女子裏部屋)
を書きました。
また、「プロントーーク 僕たちの90年代」対談ページで、福田フクスケさんと対談もさせていただきました。

目玉の90年代少女マンガ特集は、
90年代後半のりぼん中心に、なかよし・ちゃおと3誌振り返っています。
コレクターさんの付録写真は必見。
93~97年の本誌と付録を綺麗に保存していた猛者もいらっしゃいました…!
上でも書きましたが、漫画家さんページでは、
小花美穂先生「(漫画を描く際)光を描くなら影も、善を描くなら悪も」、
矢沢あい先生「(ラブシーンは)子供向けだからといって蓋をする描き方はしたくなかった。
りぼんを出るしかないと決意した思い出深い出来事」というコメントが印象的でした。
他にも姫ちゃんのリボン、ママレード・ボーイ、ベイビィ★LOVE、グッドモーニング・コール。
そして種村有菜先生のインタビュー。
種村先生曰く、「目は1ミリでも大きく」「少女漫画だからって、主人公は好かれるだけの魅力がないと!」。

福原伸治さんとピエール瀧さんの「90年代前半論~ウゴウゴルーガとは何だったのか~」。
80年代の深夜ノリとテクノロジーの黎明期が生んだ番組。
当時「みかんせいじんなんで人気出ちゃってるの?笑」と思っていたそうです。
コラム「女子裏部屋」では、文月悠光さん(詩人&ミスiD個人賞)に
ご登場いただき「“かわいい”・“女子力”に振り回されるということ」について書きました。
文月さんとはこの関連で10/20(日)の夜に下北沢B&Bのトークイベントにも出演させていただきます。何卒(・A・)
10/20(日)19:00~21:00
文月悠光×朝井麻由美 女子力コンプレックス ~“かわいい”って、何?~
http://bookandbeer.com/blog/event/20131020_bt/

Rola2

※参考
「ROLa」読者さんが書いて下さった世代の差についてのブログもあわせてぜひどうぞ↓
http://ribon-memo.jugem.jp/?eid=15

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