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経験者が語る巫女バイトの実態(後編) 割に合わない巫女バイト! 寒さに耐えながら白目で立ち続け、時給はたった800円

※2013年12月で閉鎖した「ハピズム」というサイトで書いていた記事の転載です。
※この記事は微妙にTwitter等で荒れたのですが、記事ラストにも記載している通り、体験した神社の話で、すべての神社がこの通りとは限りません。こんな神社もあったよー、ってことでひとつ…ご容赦いただければと……。


 年末年始の風物詩、巫女さんのアルバイト。巫女装束を纏い粛々とした姿が印象的な巫女さんだが、厳しい寒さに加え初詣客が大量に訪れるこの時期、巫女バイトは想像以上に過酷なものなのだ。

 筆者が大学時代に体験した巫女バイトの初日の勤務時間は、12月31日の22:00~1月1日の18:00まで。3時間の休憩時間をのぞくと、トータル17時間、ぶっ通しでお守りを売り続ける。このスケジュールに耐え切るために、バイト当日は18:30までたっぷり寝てから臨んだ筆者。しかし、これが仇となり、逆に自分の首を絞めることになるとは、このときはまだ知る由もなかったのだった――。

■単調な作業の繰り返しに早くも飽きがピークに!
【0:00~1:00】
 年明けと同時に多くの初詣客が訪れ、本格的に巫女バイトが始まる。筆者がいた神社は決めごとも特になく比較的ユルかったものの、お守りを買っていく人に向かって、「毎度ありがとうございました」「お買い上げありがとうございました」などと言うのは厳禁。あくまで"購入"ではなく、"神様にお賽銭を納める"という認識のため、「ようこそお納めくださいました」または「ようこそお参りくださいました」と言わなければならない。

 この0:00~1:00の時間帯は、バイトが始まったばかりで仕事に慣れてない上に、一気にたくさんのお客さんが押し寄せる混乱で、「ようこそお納めありがとうございました」と混ざる巫女、噛む巫女、どもる巫女が多発。中には、並ぶ参拝客を短時間でさばこうとするあまり、「お次の方どうぞー!」と声を張り上げる威勢のいい巫女もいた。マックかよ。

【1:30】
 折り返し地点どころか、まだ序盤も序盤。まだ数時間しかたっていないのに早くもバイトに飽きてくる。それもそのはず、やることと言えば、参拝客が購入するお守り代の会計をし、釣り銭を渡し、お守りを袋に詰めて差し出し、また次のお客さんの会計をし......の繰り返しで、刺激的な出来事はまるで起こらない。これじゃあスーパーのレジ打ちと変わらない。つまり、巫女バイトは、誰にでもできる簡単なお仕事なのだ。

【2:30】
 そろそろ飽きが限界に。これが18:00まで続くと思うと絶望するが、30分後には念願の3時間休憩が待ち受けている! と自分を励まし、2分おきに時計を見てじりじり過ごす。

【3:00~6:00】
 待ちに待った睡眠&食事休憩。社務所2階の大広間に、合宿のように整然と布団が敷かれているのを見て嫌な予感がした。巫女バイトの大多数は高校1~2年生なのだ。高校生といえば、夜更かし真っ盛りなお年頃ではないか。案の定、4:00頃までは、あちらこちらでキャピキャピとプチ修学旅行が繰り広げられ、眠る気配ゼロ。ようやくほぼ全員が寝静まった頃には、どうにも寝付けない筆者。そう、この日の18:30起床が裏目に出て、ちっとも眠くないのである。寝ないと、寝ないと、と焦れば焦るほど目はギンギンに冴えてしまい、結局一睡もできずに休憩時間終了。もう......ダメだ......。

■ストーブの位置を制した者が巫女バイトを制する!
【6:00~8:00】
 巫女バイトが本格的につらくなるのは、休憩時間の後からだ。なぜなら、眠気のほかに、寒さにも耐えなければならない。真冬に、外に張られたテントのようなお守り売場に立ち続ける上に、防寒具は一切なし。身に付けているのは、スースーと風を通す巫女装束。テント内にストーブが置いてあるものの、立ち位置によってはストーブの暖かさがまるで届かない。そのため、後半戦を乗り切るためには休憩時間が終わるよりもちょっと早めに現場に戻り、ストーブの近くにを陣取る必要がある。オバチャンと言われようが、図々しいと言われようが、なりふり構わず陣取る。そう、ここは戦場なのだ!

【8:00~10:30】
 朝8:00、この時点で眠気がピークに達する。立ちながら眠りかけ、時折白目をむき、自分史上最大級のブス顔だったことと思う。新年早々、お雑煮にもおしるこにもありつけず、白目系巫女として神社に立ち続ける。私は一体何をやっているのだろう......。

【13:00~18:00】
 初詣客で最も混み合うのがこの時間。ここまでくると、眠気の峠も越え、お守りの合計金額を無心で計算するロボットのような気分になってくる。お客さんの多くは、700円のお守りに、800円の絵馬、1,400円の破魔矢など、3~4種類を合わせて買っていく。これくらいであれば、もはや電卓を使わずとも瞬時に合計金額をはじき出せるようにすらなっていた。この暗算が、翌日2日からもずっと続くのだ。お正月が終わる頃には、ちょっとした特技といえるほどのレベルにまで達する。

 そして初日のバイト終了の18:00、「萌えられたい」と巫女バイトに挑戦したはずが、目は半開き、化粧ははげて肌ボロボロで帰路についた。これだけの苦しみに耐え抜いても、もらえる時給はたったの800円......。

 巫女バイトをした2005年から6年以上がたった今も、初詣をするたびに、巫女さんたちに憐みの目を向けてしまう。もしも今後の人生で、元旦に白目をむいている巫女を見かけた際には、この話を思い出してそっと通り過ぎていただければ幸いである。

※上記内容は体験した神社の話です。すべての神社が上記の通りではありません。

(文/朝井麻由美)


※2011年11月公開記事です。
本記事の過去リンクはこちら(現在はリンク切れ)

http://happism.cyzowoman.com/2011/11/post_271.html

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